サッカーボールと先輩とアタシ
「旬磨、焼きそばゲットした??」
その声の主は、さっきの…ひろみちって人??
制服だと印象が違う。
やはり高校生だ。
背が高いので、覚えている。
「いくら??」
代金を長浜くんに渡し、二人は両手にビニール袋を持つ。
「じゃあ…。」
彼はアタシにそう言った。
「はい。あのさっきはご迷惑お掛けしてすみませんでした。」
頭を下げた。
「いや、俺の方こそ…。」
「ほら行くぞ、みんな腹空かせてるんだから。じゃあね、彼女。」
宏慶という人に急(せ)かされ彼は部屋を出た。
気にしてくれてたんだ…。
「ちょっと万桜ちゃん、旬磨先輩達と何話してたの??」
すごい勢いで亜子ちゃん達がやって来た。
アタシはその勢いに圧倒されながらも、
「あ、さっき医務室に…案内…してもらって…。」
と曖昧に答える。
「旬磨先輩とヒロ先輩、学園の王子様なんだよ!!
も~いいな~万桜ちゃん!!」
あーそうなんだ、なるほど。
彼等が来たから女子達がそわそわしてたんだ。
ひとり納得する。
かなりの人気者なんだ。
ヒロ先輩って、ひろみちって人の事かな…。
二人共格好いいから、納得だけど。