サッカーボールと先輩とアタシ


「何してるんだ、こんなトコロで??」

今日はジーンズにパーカー姿。

「あ、こ、こんにちは…。」

挨拶している場合じゃないのに。

「ちいーすっ。」

横には、宏慶…先輩。

「あの、ちょっと道が…。」

迷ったなんて恥かしい。

「道??
迷ってるとか??
で…どこに向かってたの??」

「あの…××デパートです。」

「あーそれなら……逆方向だよ!!」

宏慶先輩が言う。

「…そうなんですか。」

「俺らもそこ行くけど、一緒に行く??」

旬磨先輩が言う。

「あ、いえ、場所教えてもらえたら…、大丈夫です。多分……。」

アタシは大袈裟に両手を振る。

「いいって、いいって、さ、行こう!!」

先輩達は歩き出す。

えっ、ちょっと…。

でも、考えたらラッキーかも!

目的地まで確実に行けるよね!

急いで後を追いかける。

お言葉に甘えて、着いて行こう!!

うん、それでマチガイナイ!!




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