サッカーボールと先輩とアタシ
サッカーシューズがたくさん並ぶコーナーで先輩達は自分の一足、を探している。
嫌いじゃない。
新しいシューズの匂い。
アタシもシューズを眺めた。
あ、これ…。
思わず手に取る。
アタシが潤くんに選んだシューズ。
発売当時はかなりの人気で、手に入れるまで2週間待った。
サイドのラインがカッコいい、って潤くんすごく気に入ってくれたんだ。
今はニューモデルが出て、そっちの方が人気みたい。
「……ふぅーん。」
後ろから、アタシが持っていたシューズを取り、そう言うのは旬磨先輩だった。
「あ…先輩は、底にクッションが厚く入っているのが足に合うと思いますけど。」
あ、やばい。
先輩、なんで??って顔してるし。
「じゃ俺は??」
今度は宏慶先輩。
「……えっと、宏慶…先輩は、背が高いから0・5か1センチ大きめのシューズがいいと思います……。」
「そういえば、誰かにそんな事言われたかな。」
「どうして??」
すかさず旬磨先輩が聞いてきた。
「あの…それは…。」
ここまで分析して『適当です』なんて言えない。
「…前の学校で、サッカー部のマネージャーしてて…。」
「マジで?!」
二人の声が重なった。
「じゃあさ、ウチのマネージャーやらない??」