サッカーボールと先輩とアタシ


「今はサッカーの事しか考えられない、って言われたけど…。でも私、諦めない!!また告白するんだ!!」

一途なんだ…。

「万桜ちゃんは??
前の学校に彼氏とかいなかったの??」

ドキン、と心臓が音をたてる。

「………ふふっ。」

アタシは曖昧(あいまい)に返事をした。

「あ~怪しい!!教えてよ~。」

いたけど…と言えば過去形になる。

そう、もう過去形なのに。

アタシの中では、まだこんなに想っているのに。

ねぇ潤くん。

会いたいよ。

声が聞きたいよ。

電話する事は簡単なのに、かける事出来ないよ。

この恋が終わってしまっている事を、まだ受け入れられずにいるよ。

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