サッカーボールと先輩とアタシ
亜子ちゃんは続ける。
「ほとんどみんな、ヒロ先輩派なの。ほらヒロ先輩は話しやすいでしょ。オモシロいし。でも私は旬磨先輩がいいの。
『俺は女に興味ない』って感じだけど、時々見せる笑顔が優しくて。」
そういえば、この前もヒロ先輩と話す事が多かったかな。
旬磨先輩は、サッカーの話しばかりだった。
初対面のアタシを『お化け屋敷』に誘ってくれたのは、どうしてだろう。
アタシの中では、『誰にでも声を掛ける人』のイメージがあったけど、硬派…なのかな。
でも、サッカーを大好きなのは伝わってきていた。
「旬磨先輩、中学の時は彼女いたらしいんだけど高校に入ってからは全然彼女作らないの。
ヒロ先輩は仲良くなったら、遊びに連れて行ってくれるみたいなんだけど…一度だけなんだって。」
へぇ、一度だけって、どうしてだろう??