サッカーボールと先輩とアタシ
バスを一度乗り継ぎ、試合場所に着く。
入口前は色とりどりのユニホーム・ジャージを着たサッカー部で溢れている。
アタシがキョロキョロしていると、
「遅っせ~よ!!」
旬磨先輩だった。
「おはようございます、すいません…。」
「もうみんな、中入ってるから。」
親指を建物の方に向ける。
「おっはよ!!万桜ちゃん、今日はよろしくね~。」
ヒロ先輩が、ヒョイと出て来た。
「おはようございます。」
対照的な、この二人…。
「あ、旬磨先輩おはようございます。今日は頑張って下さい…。」
亜子ちゃんは顔を真っ赤にして、そう言う。
「ああ。」
旬磨先輩って、愛想ないな…。
アタシは二人に連れられ、メンバーの元へ向った。
「そういえばさ、いつになったらメールとかくれるワケ??」
唐突にヒロ先輩が言う。
アドレスは電話帳に登録されているけど…特に用事ないので、先輩にメールも電話もしていなかった。
「俺にも教えてくれ。
今日みたいに試合絡みで何かあったら携帯に連絡した方が早いし…。」
旬磨先輩は携帯を取り出す。
アタシは赤外線で先輩方に送信した。
コーチは、メンバーにアタシを『マネジャー(臨時)』と紹介した。
そして開会式が終り、試合は午後2時からの予定だ。