サッカーボールと先輩とアタシ
最初は緊張気味だったイレブンも、徐々に足が動いてきた。
緊張が伝わる。
この緊張感がたまらない。
アタシもイレブンと一緒に走っている気分になる。
アタシは細くスコアを付け、気付いたところを余白に書き入れる。
『8番、右からのプッシュに弱い』
『15番、下半身が弱い、走り込み必要』
『7番………』
旬磨先輩は、あの時買ったシューズでボールをコントロールする。
シューズが足に合ってきたのか、前程走り方は気にならない。
ヒロ先輩は足がよく動いている。