サッカーボールと先輩とアタシ


階段を初めて上がる。

二年生の教室だ。

各学年、6クラスあるので学園はかなり広い。

土曜の午前中だというのに、見学の人達で溢れていた。

同い年らしき女の子達が笑いながら行き交う。

「どうぞー!!聖茄学園名物、ホストクラブでーす!!」

制服ではない、スーツ姿の男子が大声で叫んでいる。

2年A組はきらびやかなイルミネーションが入口を飾っていた。

ホストクラブか…。

前の学校でも3年生がやってた。

そこを通り過ぎようとした時―――。

「彼女、何年生??」

呼び込みをしていた人が、前を塞ぐ。

「入って行ってよ!!500円で飲み放題、話し放題だよ!!」

「…い、いえ、アタシはいいです…。」

断るアタシを無視して、その人は教室へ押し込む。

ちょっと待ってよ…。

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