サッカーボールと先輩とアタシ


心は迷っていた。

でもホントは解っていた。

迷う、って事はやりたい気持ちもあるのだと。

「やってみよう、かな。」

今まで、早く学園に馴染もうと一生懸命皆んなに合わせてきた。

本当は嫌で嫌でしょうがなかった。

自分の意思で、納得して来たんじゃない、と。

でも諦めるしかなかった。

アタシが聖茄学園にいる現実を受け入れ、学園に馴染もうと頑張ってきた。

居場所を見つけたら、私を必要としてくれるサッカー部に入ったら何か変わるかな。

そして、現実を受け入れられるかな。

アタシはこの学園の生徒だと。

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