サッカーボールと先輩とアタシ
福山先生を訪ねたのは二日後。
「ありがとうな、助かるよ!」
先生はアタシに『入部申込書』を渡した。
「保護者同意の欄は、俺の名前入れとくから。」
「はい、よろしくお願いします。」
職員室を出て、ヒロ先輩にメールを送った。
『先日はありがとうございました。考えて、マネージャーを引き受ける事にしました。
よろしくお願いします。先輩に話を聞いてもらえて良かったです。』
今日はとりあえず、見学だけ。
グランドに行く前に亜子ちゃんに『報告』に行く。
「ウソ…でしょう??」
亜子ちゃんは一瞬、泣きそうな表情になる。
「勝手に決めて、ごめんなさい。」
「…………。」
前の学校でもサッカー部のマネジャーをしていた事、自分の為にやりたいと正直に話した。
「……頑張って。」
少しだけ最後に笑って、亜子ちゃんは美術室へ行ってしまった。
…ごめんね亜子ちゃん。
でもアタシは自分の為にマネジャーをするって決めたの。