サッカーボールと先輩とアタシ
まず、36人の部員の顔と名前を覚える事から始まった。
そして練習メニュー。
柔軟体操、ランニング、走り込み、それからボールを使って練習。
ノートに書き込む。
その日の練習はあっという間に終わった。
「マネージャーお疲れ!!帰ろう、送る。」
旬磨先輩だ。
サッカー部は大会が始まっているので、遅くまで練習をしていた。
もう真っ暗だった。
アタシは旬磨先輩とヒロ先輩に送ってもらう。
この二人、ホント仲良いな。
「ごめんな、この前の話し旬磨に言っちゃった。」
ヒロ先輩は小声で言い、顔の真ん中に右手を立てごめんのポーズをする。
「大丈夫です、ちゃんと話さなきゃと思っていたんで。」
「ま、フラれた訳じゃないって安心してたよ。」
「え!!
あの…??」
「旬磨に告られたんだろ。何となく話しの展開がそんな感じだったし。
俺もうかうかしてられないかな。」
「は??」
「いや、何でも―――。」
「さっきから何こそこそ話してるんだ。」
「別に。秘密だよね、万桜ちゃん。」
「………ははっ。」