サッカーボールと先輩とアタシ

それぞれの気持ち



いよいよ明日は二回戦。

アタシはだいぶサッカー部にも溶け込んできていた。

皆んなとても親切にしてくれる。

でも、探しちゃう。

ここにはいない、潤くんを。

そして、納得する。



「明日、8時のバスで行くから。」

いつものように、先輩達と一緒に帰る。

「はい。了解です。」

「迎えに行こうか?」

ニヤニヤしながら、ヒロ先輩が言う。

「大丈夫ですから!」

「ハハハ、冗談!」

もう、ヒロ先輩ったら。

でも、こういう冗談は嫌いじゃない。

何も考えずに、笑えるから。

女子寮が見えてきた時に、亜子ちゃんの姿が見えた。

「亜子ちゃん~!」

アタシは大きく手を振った。

「ありがとうございました。お疲れ様です!アタシここで失礼します。」

アタシは走り出す。

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