しかくかんけい!



カバンと日直日誌とプリントの束を抱えて教室を出ようとしたら、突然、

ガラッ!

と、目の前のドアが勢いよく開いた。


びっくりして抱えた荷物を落としそうになったのを、ふえっ!っていう奇声をあげてなんとか持ちこたえて。



見上げる先に立ちはだかるのは、

いつも遠くから眺めていたはずの、

キラキラ王子様。


「っ……!」


突然のことに微動だにできず固まっていたら、じ〜っと食い入るように私を見つめてくる、しょーくん。


私は直視できずに、視線を横に流す。


教室の窓から注ぎ込む夕焼けが、この二人きりの空間を茜色に染めている。




「鈴木ハナ」




ドキッとした。


見ると、しょーくんの視線は私の胸元にある日誌に向けられていた。



「B組なんだ」


にこりと微笑む君。


「は、はい……」


か、かっこよすぎて直視できなくて泳いじゃう私の目玉は今日も元気です。




「ハナって、かわいいね」




「……えっ!?」






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