しかくかんけい!
特別な感情
■■ そらside ■■
暑い。
まだ7月になったばかりだと言うのに、すでに猛暑日が続いていた。
外はこんなに暑いけれど、やはり昼休みはここで過ごす。
ひと気のない裏庭の芝生、青々しい樹木の下。
ちょうどいい感じに傾斜になっていて、まさに寝そべるためにこうなっているようだ。
目を閉じれば聞こえてくる、やかましい蝉の声、遠くの楽しそうな会話、微かに体育館シューズの摩擦音。
ああ、落ち着く。
「ふわ……」
ひとつあくびをこぼし、クラスのあの子のことを考える。
最初の印象はいつもへらっとしていて、人を和ませる雰囲気があるな、といった感じ。
本人はあまり自覚がないらしく、いわゆる天然を嫌う一定層からはよく思われていないようだ。
それを裏付ける瞬間を、2か月ほど前に目撃した。
その日も、今日みたいにこうやって木陰でうたた寝していたときのこと────……