しかくかんけい!


その名に反応したのは、ずっと幼馴染として隣で過ごしてきた仲だからだと思う。

返した踵をまた返し、そっと物陰に身をひそめ、聞き耳を立てる。

俗に言う盗み聞きっていうのかな、これ。


「何、まさか知らなかったのぉ〜?そんな大事なこと聞いてないなんて、あんたもつくづく哀れね」

「まさか。愛莉は好きな人いるもん」


へえ。

そういえば今まで、そんな話したことなかったな。


「ふっ、そんなのデタラメじゃない?ていうかそもそもぉ、しょーくんがソロコン引き受けたの、愛莉ちゃんに近づくためでしょ。二人ならお似合いよね、美男美女だし」


要するにこいつらは、愛莉をしょーくんというやつとくっつけたいらしい。

だからいつも愛莉の隣にいるあの子に、どういうわけか当たっている。


リーダーっぽい女子はぐいっとあの子に近づいて何かを囁いたあと、ものすごい形相で睨み付けながらその場を去っていった。


そしてあの子はというと。




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