しかくかんけい!


■■ ハナside ■■



「愛莉ぃ〜、暑いよ〜」


ソロコンが終わって6月に突入したと思ったら、もう7月になっていた。


結果は入賞こそできなかったものの、審査員からの講評用紙にはお褒めの言葉がたくさんあってうれしかった。

でも、タンキングの乱れだったり、指づかいが甘かったりという指摘もびっしりあった。

まだまだ技術不足だなあと感じて、基礎練習を今までよりもっと強化した。



「はあ、そうやって抱きつかれると私も暑いんだけど」


あきれた声でそう言って私を引き剥がす。


4時間目の体育のあと、売店で冷たい飲み物を買ってから、教室へ戻る途中。

どこから持ってきたのか、パタパタとうちわを扇ぎ始める。

その風のおこぼれをもらおうと、また愛莉に近づく。


「愛莉もう誤答レポートおわったの〜?はやーい。私、暑くて力が、で、な、いっ」


バタ、という効果音を口に出せば、歩きながら愛莉の肩へ頭をもたれさせる。



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