しかくかんけい!
ソロコンが終わってからこの1か月、忙しいを理由にあまりしょーくんと話せなかった。
語弊、話さなかった。
一応ね、廊下ですれ違ったらあいさつくらいはしてたよ。
でも実は、話しかけられそうになったら用事を作って逃げたり、目があったら逸らしちゃったり。
愛莉には全部、バレてたんだ。
観念した私は、今の心境をしぶしぶ語った。
「特別って、どういうことかな」
ソロコンの練習をしに家へ行ったときと、
本番前の舞台裏。
『俺はハナのこと、“とくべつ”だと思ってるんだけど』
『ハナだけ、“とくべつ”に』
私もしょーくんのこと、とくべつ、だよ。
いつのまにかこんなに膨れ上がっていた、
恋愛感情としての、とくべつ。
“好きな人”っていう、とくべつな存在だよ。
「“とくべつ”、ねぇ……」
肘をついて考え込む愛莉。
「しょーくんはどういう意味で言ったのかずっとモヤモヤしてて、なんとなく避けちゃうっていうか……」
「うん」