しかくかんけい!


「いるよっ。かっこよくて、何でもできて、ちょっぴり意地悪だけど、王子様みたいな人」


みんなの、王子様。

今は、君を想うと、ちょっとだけ胸が苦しいけどね。



「……そ、っか……」


そらくんの返事は、かすれていた。

私はのど乾いたね、と言ってふたりが来るのを待つ。



しばらくして、人混みの中から戻ってきた二人からペットボトルとリンゴ飴を受け取って、小銭を渡した。


「よしっ!花火までまだまだ時間あるし、もっと見て回ろー!っとっとっとッ」


軽くジャンプしたら足がもつれた。

バランスが崩れた私の腕を、隣にいたしょーくんが咄嗟につかむ。


「危なっかしーわ、ほんと」

「あ、ありがと……」


初めてバイクに乗せてもらったときのことを思い出し、少し恥ずかしくなった。

自然としょーくんの隣になって、人だかりの熱気に包まれながら愛莉とそらくんの背中を見て歩く。


風船を割ったり射的をしたり。

思う存分、夏を満喫していた。



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