しかくかんけい!


「みてみて、シャボン玉やってる!楽しそう〜」


小さな女の子が、きゃっきゃとシャボン玉を作っては、虹色の泡がふわふわと舞う。

それっ、とこちらへ飛んできた泡をキャッチした。

当たり前に、パチンと弾ける。


「ははっ。一番ハナが楽しそう」


君の笑顔も弾けると、私の胸はきゅんとする。



「あっ、」


刹那、走った女の子がドテッと転んで、しゃぼん玉の液が地面に飛び散った。

私は思わず立ち止まった。


うわーん!と泣き声が響き渡る。

家族らしき人がギョッとして女の子をなだめるも、無駄のようで。


行き交う人は一度目には止めるけど、足は止めずに通り過ぎてゆく。

私は慌てて財布を取り出して、駆けた。


「おいっ、どこ行く!?」


しょーくんが後ろから叫ぶのが聞こえたから、顔だけ振り返って私も叫ぶ。


「ちょっと待っててー!」


そして人混みをかき分けて屋台の前へたどり着き、目的の商品を受け取って、

急いでさっきの場所へ戻ると、やっぱり女の子は泣いていた。


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