しかくかんけい!


「あんまり離れるな」


そう言ってふいっと前を向き、歩き出した。

繋がった手がぐいっと引かれる。



「あ、愛莉とそらくんは?」

「はぐれた」


そっけない返事で、少し乱暴に人をかきわけ、つかつか進む。


はぐれちゃった……。

私はきょろきょろ辺りに目を凝らすけど、誰も彼も愛莉とそらくんではなかった。

とにかく人が多すぎて、もう探すのはあきらめた。


怒っているらしいしょーくんの背中をただぼうっと見つめて歩く。

気がつけば、ひと気のない広場に着いていた。



「あ、綺麗……」


空を見上げると、さっきは明るくて見えなかった星たちが、姿を現していた。


「ここ、花火も見えやすそうだな」

「あっ!花火って何時だっけ!?」

「8時」


慌ててスマホを確認すると、ただ今の時刻は7時55分。


「あと5分……」


4人で見る約束だったのに、

今となりにいるのは、君だけ。


夜の暗がりが、私たちを呑み込む。

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