しかくかんけい!




「どういうことだと思う?」


口を開いたと思ったら、まさか逆に質問されるなんて、思っていなかった。


ぱちぱちとまばたきしながらしょーくんを見つめる。


「え…っと」


どういうことって言われても……。

ふっとしょーくんが微笑する。


「ハナってほんとおもしろい」


そう言って、今もなお離してくれない私の手首を、そっと持ち上げた。


「手、可愛いよね」

「て?」


持ち上げられた手は、しょーくんの顔に近づけられる。


そんなに近づけて何をするんだ、

と思ったら、

ヌルっとした感触。


ぞわっ、と、甘い何かが、私を貫く。


「ひゃっ」


変な声が出て、とっさに手を引っ込めた。



「ふふっ、いい反応」


「ちょっ……!!」



舐めた。


今、私の手、舐めた。



しょーくんの顔を見上げると、

艷やかな笑みを浮かべていた。



あの日のように、厭らしい瞳。


こわい、けど、動けない。

叫びたいのに、声が出ない。



手は離してくれたはずなのに、

心が、捕まって、離れない。







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