しかくかんけい!
あいつは愛莉にハナの手を預け、ぐーっと背伸びする。
「ちょ、それどういう意味!?」
愛莉と手を繋いでそうツッコミを入れたハナは、ぷくっと頬を膨らませる。
その顔を見て、あいつは心底おかしそうに笑う。
「探したんだぞ」
俺の声は、穏やかでなかった。
急にいなくなったから、心配したのに。
そんな人の気も知らないでハナを笑いものにするあいつがムカついた。
「え、そらっち何怒ってんの」
「そらくん?」
「そら……」
3人の視線が俺に集まる。
「せっかく4人で来たのに」
よくわからないこの黒い感情を、どこかにぶつけたかった。
「あー、ごめんって。目を離した隙にこいつがいなくなってさ」
ぽんぽん、とハナの頭を悪びれた様子もなく叩くあいつ。
「こ、子ども扱いしないでよっ」
バシッと腕を叩き返したハナを見て、少しだけ胸がすく。
「いってーな。ていうか、ほら、ハナも謝っとけよ」
あいつがそう促すから、ハナは申し訳なさそうにごめんね、と言う。