しかくかんけい!


■■ 愛莉side ■■




確信した。


そらは、ハナに恋しているんだと。


今日の祭りでのそらの様子は、明らかにいつもと違っていた。

いつもの温厚な彼ではなく、いらついたような雰囲気を醸し出し、心がかき乱されているようだった。



「はあ……」


ため息がこぼれる。

祭りから自分の部屋へ帰ってきたら何だかやるせなくて、浴衣を脱ぐ気力も起きない。


窓を開け、外の熱気を真正面から受ける。

2階の部屋なので、見上げれば空がよく眺められる。


考えるのはやはり、あなたのこと。

もちろんこれまでに、そらの恋愛話がなかったわけではない。


高校に入学してから密かに人気になっているのは知っていた。

見た目はいわゆる韓国アイドルみたいなハーフ顔で迫力のある長身、クラスでは一匹狼のようなあなたは、少し近寄りがたい印象。


でも実際話してみると少し不器用で鈍感、そんなギャップに女の子たちが放っておくはずがない。



< 150 / 433 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop