しかくかんけい!
■■ 愛莉side ■■
確信した。
そらは、ハナに恋しているんだと。
今日の祭りでのそらの様子は、明らかにいつもと違っていた。
いつもの温厚な彼ではなく、いらついたような雰囲気を醸し出し、心がかき乱されているようだった。
「はあ……」
ため息がこぼれる。
祭りから自分の部屋へ帰ってきたら何だかやるせなくて、浴衣を脱ぐ気力も起きない。
窓を開け、外の熱気を真正面から受ける。
2階の部屋なので、見上げれば空がよく眺められる。
考えるのはやはり、あなたのこと。
もちろんこれまでに、そらの恋愛話がなかったわけではない。
高校に入学してから密かに人気になっているのは知っていた。
見た目はいわゆる韓国アイドルみたいなハーフ顔で迫力のある長身、クラスでは一匹狼のようなあなたは、少し近寄りがたい印象。
でも実際話してみると少し不器用で鈍感、そんなギャップに女の子たちが放っておくはずがない。