しかくかんけい!
白と黒のスーツのような服を着た男性が、派手な髪色のお兄さんに声をかけていたり。
足取りの悪いふらふらな状態のお兄さんが、露出度高めの服を着た女性に言い寄っていたり。
すごい。
夜なのにこんなに明るくて華やか。
初めて踏み入れた境界に戸惑いつつも、足を進める。
きょろきょろ周りを見渡す。
こういう場所は変な人が多いってことは何となくわかるから、できるだけ誰とも目を合わさないように早足で歩く。
すると突然ものすごく強い力で肩を引かれて、思わず顔をしかめる。
「っ!?」
「ねーちゃん、ひとり〜?」
無理やり振り向かされた方を見ると、耳だけじゃなく顔中ピアスだらけのいかにもガラの悪い男たちが数人立っていた。
「……、」
うわ、何個ついてんだろ、顔面痛そう。
「浴衣そそるねー。今から俺たちとイイコトしない〜?」
頭から爪先まで舐めるような視線を這わせるピアス男。
周りの野郎たちも、ニヤニヤとこちらを見る。