しかくかんけい!
「誰だぁてめぇ?これから楽しい時間のはじまりだっつーのにぃ、邪魔すんじゃねぇよ!!」
そう叫んだピアス男がバイクに飛びかかる。
バイクの人はひらりと男をかわしてドカンと一撃を食らわす。
ドサッと音が聞こえ、跳ね飛ばされたピアス男が地面に転がった。
「学習能力皆無かよ」
バイクの人のくぐもった声が聞こえて、私は見開いた目をさらに開眼した。
聞き覚えのある、その声の正体は。
「しょー、くん……?」
シールドを上げて見えたその顔は、数時間前に一緒に祭りへ行った、あのしょーくんだった。
「乗って」
そう言って彼は私の頭にヘルメットを被せて、カチッと紐をとめる。
「な、なんでこんなところに……」
「こっちのセリフ」
いいから乗れ、と言ってシートを叩く彼。
言われるがまま後ろにまたがる。
帯がゆるんでいるおかげで何とか乗れたが、脚が丸出しの格好。
みっともない格好だわ、と思ったがそんなことは言ってられない。