しかくかんけい!


「誰だぁてめぇ?これから楽しい時間のはじまりだっつーのにぃ、邪魔すんじゃねぇよ!!」


そう叫んだピアス男がバイクに飛びかかる。


バイクの人はひらりと男をかわしてドカンと一撃を食らわす。


ドサッと音が聞こえ、跳ね飛ばされたピアス男が地面に転がった。


「学習能力皆無かよ」


バイクの人のくぐもった声が聞こえて、私は見開いた目をさらに開眼した。


聞き覚えのある、その声の正体は。




「しょー、くん……?」



シールドを上げて見えたその顔は、数時間前に一緒に祭りへ行った、あのしょーくんだった。



「乗って」


そう言って彼は私の頭にヘルメットを被せて、カチッと紐をとめる。


「な、なんでこんなところに……」

「こっちのセリフ」


いいから乗れ、と言ってシートを叩く彼。


言われるがまま後ろにまたがる。

帯がゆるんでいるおかげで何とか乗れたが、脚が丸出しの格好。

みっともない格好だわ、と思ったがそんなことは言ってられない。


< 157 / 433 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop