しかくかんけい!




「そばに、いさせて」



無意識に、口から音がもれた。



「いいよ」


そんな返事が聞こえて、隣にしょーくんがいたことを思い出す。

はっと目を開け、預けていた頭を起こしてしっかり自分の首で支える。


「違うの、ごめん、独り言だから気にしないで」


苦笑いで彼を見ると、今度はちゃんと目が合った。



「失恋でもしたのか」


透き通るような瞳でそんなことを言うから、私は思わず目を逸らした。


「まあ、そんなとこ」

「じゃあ、今の愛莉ってチャンスだよね」

「え?」


意味を理解するのにそう時間はかからなかった。


彼の表情は、いたって真剣だった。



「学校で、愛莉が俺のこと気になってるってうわさ流れてたの、知ってる?」

「え、まあ、知ってるけど」


いつもの王子様スマイルで話し始める彼とは対象的に、私は少し動揺する。


「今の話からすると、あれはデマってことでいいんだよね?」

「そうね」


失恋でもしたのかって問いに、肯定したからね。





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