しかくかんけい!



「それなら、なんでこんな期待させるようなことするの?」

「え……」


期待させる?

私に何を期待してるの?


だんだん頭の中が、混乱してくる。



「俺、そのうわさ知ったとき結構嬉しかったんだけど」

「……」


爽やかに笑う彼は、私の目をじっと見つめる。


ちょっと待って。

それってつまり、彼は私のことを……。



「意味わかるかな。つまりさ、俺は愛莉のこと、「だめ!!!」


ぱしっ。


それは、とっさに動いた私の手が、
しょーくんの口を塞ぐ音だった。



なにしてんの、と手の中でもごもご動く口。

くすぐったくて、ごめん、と離れる。


「帰らなきゃ」

「は?え、ちょっ……送るよ!」


送るよ、を言い終える前に、私は走った。

後ろでエンジン音が聞こえたけど、とにかく家の方へ向かって走った。

バイクのスピードが出せないようなせまい道を選んで全速力で駆け抜け、家に着く頃にはもう汗だくだった。



「はあ、はあ……」


息を整えて、後ろを振り返ってみた。


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