しかくかんけい!
大切な存在
■■ そらside ■■
* * *
長かった夏休みが明けた。
この時期から俺たち2年生は、いよいよ受験というものを意識する。
部活をやっている生徒は主要な大会が終わり、勉強に本腰を入れ始める。
そうでない生徒も、夏休みに数回あった模擬試験の結果が返され、本格的に受験に向けて対策する。
俺は後者で、嫌々受けた模試の成績用紙をじっと眺めていた。
「はあ……」
いつもの裏庭の木の下で、昼休みを過ごす。
ため息の原因はもちろんこの紙切れ。
大して興味のない大学は、皮肉にもA判定だった。
法学を学びたいから法学部を第一希望にしたわけじゃないし、経済に興味があるから経済学部を第二希望にしたわけじゃない。
ただ、言われるがまま、書いただけ。
『ちゃんと勉強しないと良い大学に行けないわよ』
『良い大学に行って、良いところに就職しなさい』
『お父さんみたいに安泰でしっかりしたところを目指して』
「……うるせぇ」
親が心配する気持ちはわかる。