しかくかんけい!
いつからこっち見てたんだ。
悩んでいる姿を見られるのは少し恥ずかしい。
目を逸らすと、ガタッと椅子から立ち上がる音が聞こえ、スタスタとこちらへ近づいてくる女子制服。
「そらくんも、進路の紙やってるの?」
「……うん、二人も?」
ハナの後ろから、愛莉も顔を覗かせる。
「私はもう提出したから、ハナ待ち」
「うー、ごめんね。やっぱ愛莉はしっかりしてるなあ」
前の椅子に腰を下ろすハナと、その隣の机に持たれかかる愛莉。
あれ、と愛莉が不思議そうに首を傾げた。
「そらはもう決めてなかったっけ」
そういえば、愛莉には大学へ行くという話をした気がする。
ソロコンのときだったかな。
祭りのときだったかな。
まあいいや。
「うん、まあ、決まってないわけでは、ないんだけど……」
「えっ、そうなの?もしかして大学?」
今度はハナが、興味津々な顔でこちらへ身を乗り出す。
近いハナに一瞬ドキッとしつつ、さりげなく身を引いて緊張を抑える。