しかくかんけい!


なんか変だ。

最近の愛莉は少し、変な感じがする。


祭りの帰り際、抱き締めた愛莉といい。
さっきの、熱っぽい愛莉といい。

あんなにぐいぐい距離を詰めるようなタイプじゃなかったと思うんだけど。

前はもう少し、警戒心のような、見えないガードがあったような気がしたんだけど。


よくわからない違和感を覚えつつ、白紙のままの調査票を片手に職員室のドアを開けた。


「失礼します」


ラッキーなことに、担任はちょうど席を外していた。

名前だけ書いた紙切れを担任の机に置き去りにして、そのまま逃げるように学校を出た。


家に帰ると、母親が待ってましたと言わんばかりに俺を呼んだ。


「こっち来なさい」

「……ちっ」


面倒くせえ、と思いつつ、部屋に行くよりも先にリビングへ入る。


何の話かはだいたい予想がついた。


「結果出たんでしょ。どうだったの」


当然良かったよね、という見えない圧をひしひしと感じる。



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