しかくかんけい!


でもこの世の中の大多数は当たり前のようにそんな日々を送り、そんな当たり前の日々を幸せだと言う。


子どもの頃に描いた間抜けな夢なんて、ほとんどの人が忘れて。


せわしく過ぎる日々を、ただ、淡々と生きている。


そして俺も、ただ周りの言うことに従って、その一員になろうとしているんだ。


つまらない人生だと、思ってしまった。



「はあ……」


ここまで考えて、ようやく気づく。

進路調査票が書けなかった理由に。




くしゃ、と見え透いた将来を握りつぶした。


ただの紙切れに当たってもしょうがないのに。

こうしたって、実際には握りつぶせやしないのに。


そんな勇気も行動力もない、

でもこうでもしないとやっていられない。


そのままリビングで少し早いが夕飯を食べて、自分の部屋へ行き楽な格好へ着替える。

そして大量にある塾の課題を消化するために机へ向かった。



< 169 / 433 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop