しかくかんけい!
* * *
「ありえないよね!? あれは夢だよね!?」
お昼休み。
同じクラスの大親友、紫木那 愛莉と屋上でお弁当を食べながら、昨日の放課後にあったことを話していた。
愛莉とは高校1年生のとき、吹奏楽部の体験入部で出会った。
クラスは違ったものの、同じフルート仲間で自然と仲良くなった。
今年は同じクラスになれてとっても嬉しい。
「じゃあ夢よ半分」
「は、半分か…」
どこからが現実なんだろう。
愛莉は大人っぽくて美人で、いつも私の話をじっと聞いてくれる。
聞き上手な愛莉にはつい何でも話せちゃうから、私がしょーくんを好きってことも唯一知っているんだ。
「意外とハナもしょーくんも大胆なのね」
「えっ、なんで私も!?」
「だって、好きな人からそんなセリフ言われて迫られたら女の子はみんな喜んでどうぞってなるオチでしょ普通」
「そ、そうなのかなあ」
「しかもみんなの憧れの…爽やか王子様、だっけ?こんな機会もう二度もないかもって考えないかしら」