しかくかんけい!
優雅な仕草で、そっとこちらを覗き見る。
「悩んでるみたいだね」
進路、と言ってごろんと仰向けになった。
同じ空の下、一緒に同じ方向を眺めている。
「……大人たちはよく、将来不自由なく生きていくために今勉強しているんだ、とか言うじゃん」
「うん」
俺は心底秘めていたことをぽつりと明かす。
「将来はいい企業に就職して、安定した給料をもらって、生活に困らないように考えて生きろ、とか」
「うん」
「確かにそうかもしれないけど。もしそこに、自分が本当にやりたい事とか楽しいと思えるような事がないとしたら」
「うん、」
「つまらない人生だよな」
自分でもびっくりするくらい、
声のトーンが暗かった。
まるで今にも夜になりそうな、
この空のように。
「そらは、夢があるんだね」
愛莉がぽつりと言う。
もうほとんどが藍色になって、
朱色は鮮少の、黄昏。