しかくかんけい!


……──────中2、夏。

野外学習という名目だが、ただ地層を見に行くだけという宿泊もキャンプファイヤーも夢もない遠足だった。

でも一日中教室で椅子に座っているよりは有意義だし、自然は好きだから別にいい。


昼食時間になって、班のメンバーと食事をとっているとき、それは起こった。

誰かがファーストキスはイチゴ味、とか何とか言い出して。


「お前ら仲いいだろ、チューしてみろよ!」


と、そいつは俺と愛莉を指差して。


「オレ、この前一緒に帰ってんの見たぜ!」

「えーまじ!?付き合ってんの?リア充くっそー!ガハハッ」


違うよ、と制するも、ぎゃんぎゃん はやし立ててどんどんエスカレートする。


小学生かよ、うるせぇ。

もう本気で怒鳴ろうかと、口を開いた瞬間。



バン!


と、テーブルを叩く音がして、
反動でカチャン、と食器が跳ねて。


ビクッとし、班員たちは皆その方向を見る。




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