しかくかんけい!


「そういえば昼、ごめん」

「え?」

「俺が止めに入ろうとしたけど愛莉にさせてしまって」

「あぁ……別に大丈夫よ、気にしてないわ」


そう言って、緑色しか見えない車窓の風景に目を移す彼女。


「やっぱ愛莉って、すごい」

「突然ね」


くす、と微笑して、どこがすごいの、とこちらを振り向く。


「俺があいつら止めに入っても、あんなふうに黙らせられないし」

「そうかな」

「うん、対応が大人だなって思った」

「ふふ、どうも」

「大人だし、冷静だし、尊敬するよ。やっぱり愛莉のそういうとこ好きだなーって、昔から思ってる」

「……、」

「学校でも生徒会から熱烈な勧誘されてるの見かけたし、先生からも信頼されてるし」

「……」

「この前も部活の先輩から、部長候補って話もあったんでしょ。同じ幼馴染なのに、こんなに違うなーって思って」

「……」

「俺も愛莉をもっと見習わないとな、って……」


さっきから返事がないな、と今さら気づいて彼女を見ると。





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