しかくかんけい!
良く言えば自由にのびのびとした子育て。
悪く言えば無関心でほったらかし。
でも、大きくなって、わかったことがある。
本当に危ない場所へは一人で行かせなかったし、いつも朝昼晩のご飯は欠かさなかったし、行き過ぎたわがままには応えてくれなかった。
無関心なんかじゃなかった。
ちゃんと、見ていたんだって。
あまり怒った顔を見たことのない両親は、いつも笑っていてどこか輪郭がはっきりしない。
だけど笑顔の絶えないこの家に生まれて、私は幸せだと感じた。
でも、あなたは、そうじゃないのね。
小学校低学年のとき、しょっちゅうそらの家へ宿題をしに行ったり、本を借りに行ったりした。
あまりお目にかからない父親と、見るたびに口もとが引き締まっている厳しそうな母親。
そらの家庭は少しだけ私と違っていることに、割と幼いときから気づいていた。