しかくかんけい!
「しょーくん、」
夏祭りの夜、助けてもらったのに逃げるように帰ったのを思い出す。
かなり、気まずい。
「あ、もしかしてハナ待ち?」
私以外のカバンが1つ残っていることに気づいたしょーくんは、後ろ手にドアを閉めて教室へスタスタと入ってくる。
私はこれでもかというほど気まずい雰囲気を醸し出しているのに、お構いなしにこちらへ近づく彼。
そして、私の隣の席へ座った。
「……なんか用?」
「ううん、特に用はないけど。たまたまB組の前通ったら愛莉がいたから」
「……」
「夏祭りぶりだね」
気さくに話しかけてくるしょーくんは、相変わらず王子様スマイル。
祭り楽しかったなー、と気まずい元凶の話をしそうな空気になったから私は慌てて話題を変える。
「今日、そら休みだったの」
「へえ、夏風邪でもひいた?」
「わからない。連絡したけど、既読もつかなくて……」