しかくかんけい!
そしてしょーくんを隠すようにハナの前に立ち、カバンを押し付ける。
「ハナ!おかえり!じゃあ行こっか!ほら!早く行かないと!カフェ!閉まっちゃう!」
「へ?わっ、わわわ」
びっくりマークを乱用した口調の私は、頭上にクエスションが浮かぶハナの腕を引いて教室を飛び出す。
「ちょ、愛莉っ?今しょーくんいた気が、」
「恋は盲目!あれは幻覚!」
「ええっ!? 私そんなに盲目かな?」
「きっと気のせい!」
なんて見え見えなうそでごまかして、とにかくあの場から離れた。
靴箱までたどり着いて後ろを確認すると、しょーくんはいない。
「愛莉っ、ちょっと痛いよっ」
足がもつれてバランスを崩しそうになるのを必死に耐えていたらしいハナは、腕をぶんぶん振る。
「あっ、ごめん、つい……」
「どうしたの?なんか変だよ、愛莉」
「そ、そうかしら。別に何でもないよ」
へんなのー、と口を尖らせるハナ。
おわびにあめ玉をあげたら機嫌を取り戻した。