しかくかんけい!


そうして、約束どおりカフェへ向かった。


目的のカフェは、電車で6つ目の駅を降りたら本当にすぐそこだった。

学校からは少し遠いけれど、駅近だからアクセスは抜群。


開店祝いのフラワーアレンジメントが華やかさをかさ増しさせている外観からしておしゃれなカフェは、やはり人でいっぱいだった。


「どれくらい待つかなあ」

「けっこう人いるね」


海外ではかなり有名なカフェが日本初上陸というわけだから、待つのは当然覚悟していた。

しばらくしてお店の前のベンチが空き、そこに座って一面ガラス張りの壁から店内を覗く。


ぼーっと眺めていた、そのとき。


ふと、ガラスに映った彼。


それはもうまさしく幻覚かと思ったけれど、違った。



「そらだ」

「え、そらくん!? どこどこ?」


私は思わず立ち上がった。


「ちょっと行ってくる!」

「え、あっ、私も行くー!」


見えなくなりそうな背中めがけて全力疾走する。


本当に最近、走ってばっかり。





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