しかくかんけい!
そう考えてしまうのは、きっと恋とか愛とかじゃなくて、ただ純粋に心配なんだと思う。
そんな私の気を知ってか知らでか、はは、と苦笑いして軽くお礼を述べるそら。
そして、やさしい口調で言う。
「大切な存在だよ」
「っ、」
私はぎゅっと拳を強く握る。
大切な、存在。
それは昨日、私がそらの絵に対して告げた言葉。
「愛莉そう言ったじゃん」
「うん」
「そのまま返す。俺にとっても、愛莉は幼馴染として大切な存在」
幼馴染として、か。
心臓にマチ針を通されたような、ちくりとした感覚がする。
それは矢継ぎ早に小さな穴をいくつも開けて、止まらない。
「だから、愛莉には心配してほしくない。そんな顔、しないでほしい」
まっすぐなそらの言葉は、
鋭くて、鈍くて、痛い。
やさしいのに、こんなにも、痛い。
「俺、夢はもう、捨てない」
その強い瞳はもう、
苦しさなんて微塵も感じ取れない。