しかくかんけい!


「まあとにかく、同居はちょっと厳しいよ、今は」


そう言って愛莉は店員さんを呼び、パンケーキを注文する。


今は、ってことは、いずれそういう日が来るのかなあ。

さりげなく告白みたいなこと言える愛莉のせいでニヤけちゃう私。


うふふ、やっぱこのふたりは、お似合いだと思う。

そんな思いは口には出さず、私もチョコケーキを注文した。


さすが有名店だけあって、あっという間に完食してしまった。

おいしすぎてもう1個注文したいけど、お財布と相談してやめた。



「応援してるわ」


愛莉が言った。


「ありがとう」


穏やかな顔のそらくんは心地よさそうに述べた。


「私も!そらくんの個展とかすごく楽しみだなあ」


ははっとうれしそうに目を細めたそらくんは、気が早いよ、と頭を掻く。



「そろそろ行こうか」


と誰となく言って、席を立つ。


それに続く私と愛莉も、レジへ向かった。


カフェを出て、次は4人で来たいね、とか話しながら、日が暮れそうな空の下を並んで歩く。




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