しかくかんけい!
9月初旬の空気はまだまだ熱気が漂っていて、残暑はもうしばらく続きそう。
「じゃあまた」
そらくんはいつもと違う方向へ歩く。
「うん、またね」
「ばいばーい!」
愛莉と私はいつもと同じ方向に帰る。
後ろ向きに歩きながら手を振って、
がんばってねー!と大きくエールを送った。
そしたらチリンチリン、と自転車のベルが私をよけて、愛莉に前見なさいって怒られる。
そらくんはふっと笑って、気をつけて、と口パクして、ひらりと手を振った。
「おいしかったね〜」
「そうだね。次はハナが食べてたチョコケーキも食べたいな」
「前から思ってたんだけど、愛莉って意外と甘いもの好きだよね」
「うん、スイーツは別腹じゃん」
スタイル良すぎる愛莉がそう言うから、この世に太らないスイーツが存在するのかも。
「それにしても、愛莉ってすごいよね」
「え、何が?」
「そらくん愛!」
「あい?」
解せない顔でこちらを見る愛莉。