しかくかんけい!


9月初旬の空気はまだまだ熱気が漂っていて、残暑はもうしばらく続きそう。


「じゃあまた」


そらくんはいつもと違う方向へ歩く。


「うん、またね」

「ばいばーい!」


愛莉と私はいつもと同じ方向に帰る。

後ろ向きに歩きながら手を振って、
がんばってねー!と大きくエールを送った。


そしたらチリンチリン、と自転車のベルが私をよけて、愛莉に前見なさいって怒られる。

そらくんはふっと笑って、気をつけて、と口パクして、ひらりと手を振った。



「おいしかったね〜」

「そうだね。次はハナが食べてたチョコケーキも食べたいな」

「前から思ってたんだけど、愛莉って意外と甘いもの好きだよね」

「うん、スイーツは別腹じゃん」


スタイル良すぎる愛莉がそう言うから、この世に太らないスイーツが存在するのかも。


「それにしても、愛莉ってすごいよね」

「え、何が?」

「そらくん愛!」

「あい?」


解せない顔でこちらを見る愛莉。


< 205 / 433 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop