しかくかんけい!
「“愛莉は、本気よ”」
「……、」
「“たとえそらくんが何を言おうが、何をしようが、愛莉はそらくんを嫌いになれないわ”」
「……そのセリフって」
あのとき。
私がしょーくんに大ッキライと叫ぶっていう失態をさらしたとき、屋上で愛莉が励ましてくれたときの言葉。
どうしてか思い出して、きっと元気になれる気がして、お返しした。
「だからね、大丈夫だよ。愛莉の気持ちはずっと、そらくんのそばにある!」
満面の笑みでそう言って、愛莉の肩に手をまわす。
「ありがとう」
そう言ってふふっと笑う彼女は、吹っ切れたような、さっぱりしたような、そんな感情がにじみ出ていた。
あっつい、と言いつつも私と肩を組む愛莉の空いている方の片手は、パタパタとうちわを揺らしていた。
その風が、私の頬にも優しく伝わってきた。