しかくかんけい!
* * *
「多数決の結果、B組は劇ってことでいいですかー?」
学級長が教壇に立って、クラスみんなへ同意を求める。
はーい、と誰かが言って、賛成の拍手が教室いっぱいに響く。
学級長はチョークを手に取り、黒板に書かれた「劇」という文字を大きく丸で囲った。
ざわざわ、とクラスのみんなは楽しそうに話している。
この時間は来月の文化祭について話し合っていて、今はクラスの出し物決めをしている。
毎年10月末に、体育祭か文化祭が交互に開催されるこの高校。
今年は文化祭の年で、私たち2年生は最初で最後だから、他学年より一段と気合が入るんだ。
「ねえ愛莉、劇といえばやっぱり白雪姫じゃない?」
「確かに、役が多いから定番ね」
「そうそう、7人の小人さんとか!はーい、級長〜!」
私は手を振って、白雪姫がいいと思いまーす!と声を張った。