しかくかんけい!

お昼休みを迎えた教室は、みんな思い思いの場所へ散ってガランとする。

私も愛莉と一緒に屋上へ向かった。


「あー、やっぱりまだ暑いね〜」

「これぞ残暑、って感じ」


ぬるい空気の中をウロウロして、日陰になっている場所を見つけて腰を下ろす。

気温はまだまだ高いけど、風は夏に比べると少し柔らかくて涼しい。



ちょうどお弁当を食べ終わったとき、ピンポンパンポーン、とアナウンスが流れた。


――文化祭実行委員会からのお知らせです。今から名前を呼ばれる生徒は、A棟4階視聴覚室まで来てください――


何名か生徒が呼ばれた中に、愛莉の名前も含まれていた。


「私、文化祭の役員になった覚えないんだけどな」


愛莉は手早くお弁当箱をしまいながら、首を傾げる。


うーん、たしか去年もこの時期に体育祭関係で何名か呼ばれていた。

名前を呼ばれた生徒の顔を思い浮かべる。


今呼ばれたの、全員女子だったような、気がする……あ!もしかして!


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