しかくかんけい!


「俺に会えてそんなに嬉しい?」

「へっ? も、もしかして声に出てた!?」

「んーん、顔に出てる」

「やだっ」


とっさに手で顔を覆う。

そのまま指の隙間から、目当ての本を探すことにした。


「くくっ、変なやつ」


そう言って笑うしょーくん。

しょーくんのせいなんだからっ!
と突っ込みたいのを抑えて、いちばん下の段にお目当てのタイトルを見つける。


「あった!」


私が本を手に取った瞬間、

ひょいっと奪い取られて。


「あっ!」


まじまじと本のタイトルを眺めるしょーくん。


「白雪姫?お前マジでお子ちゃまだな」

「ち、違うもん!劇の勉強だしっ」

「劇?」


本を頭上に上げたまま首を傾げるしょーくん。


文化祭の!と言いながらぴょんぴょん飛び跳ねて手を伸ばすけど、全然届かない。


「ああ、文化祭ね」


納得したしょーくんは、何かを思い出したようにこちらを見る。


思わず固まっちゃう私。


「な、なに?」


じっと私の目を見つめるから、どぎまぎしちゃうじゃんっ。



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