しかくかんけい!


「きっ、きらい!」


ああ、もう。


なんで、なんでなの、私。



「きらいなんだ?」

「ち、ちがくて……、その、きらい、じゃ、なくて……」


違うの、違うの、

きらいなんかじゃ、ないの。


本当は好きで、好きで、

素直になれなくて、

きらいとか言っちゃって、違うのに、

なんで、正直に言えないの、わかんない、

とにかく、好き、なんだ。



本気の好きが、いっぱいで、ごちゃごちゃで、まとまらなくて、言葉にならない。


さっきからうるさいくらいドキドキと早鐘を打つ心臓は、今にも飛び出そう。



「なんで、そんなにうるさいの?」

「へ、?」


うるさい?

うるさいって、何が?


さっきからうるさいくらいドキドキと早鐘を打つ心臓は、今にも飛び出そう。



「ここ」

「ひぁ、」


変な声が出たのは不覚。


それは、しょーくんの手が、

“ここ”を、触ったせいだ。





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