しかくかんけい!
しょーくんがわからなくて、
悔しくて、
知りたくて、
考えすぎて、
止まらなくて、
好きで、好きで、好きで、
もどかしいよ。
「はあ、はあ、……っ、」
さっき食べたばかりなのにこんなにダッシュしたから、すごく気持ち悪い。
教室にたどり着き、息切れした呼吸を整えようとベランダに出る。
冷たい鉄柵が心地よくて、身を預ける。
「なんでっ……」
もっと素直になりたいのに、
君の前だとこんなにもうまくいかない。
初めて名前を呼ばれたあの日もそう。
犯したい、と言った君の気持ちが、
全然わからなくて、
でも好きで、
でも恥ずかしくて、
逃げた。
夏祭りの前に浴衣を買いに行ったときも、愛莉に言われた。
『今のハナは全然素直じゃない』
本当にそうだと、つくづく思う。
しょーくんの前だと、
自分の気持ちが暴れちゃって、
おかしくなって、
どうかしてしまいそうになる。
素直になるのが怖くて、
うまく表現できなくて、
冷静になれなくて、
結局、逃げてばかりな私。