しかくかんけい!
「はあ……」
もっと愛莉みたいに、人の気持ちをうまく汲み取れて、整理できて、落ち着くことができればいいのに。
もしそれができたなら。
こんなに気持ちがあふれる前に、
好きをやめられるかもしれない。
意地悪されても余裕で笑えるかもしれない。
愛莉みたいに、もう少し大人に、
なりたいよ。
「はあ」
本日2回目のため息をついて、ぼんやり宙を眺める。
また幸せが、逃げちゃった。
ここ最近、真上の太陽から降り注ぐ光のシャワーは柔らかくなっている。
木々を揺らす風も、昨日まではぬるかったはずが今は涼しい。
蝉の声もなんとなく小さくなっている気がする。
季節は突然切り替わるわけではないけれど。
もしかしたら明日、
夏が終わるかもしれない。
夏が、終わるかも、しれない。
そんな予感が、した。