しかくかんけい!
危険な本性
■■ そらside ■■
パタン、と本を閉じる。
今日も昼休みはいつものように裏庭で過ごしていた。
スマホで時間を確認すると、あと約15分でチャイムが鳴るらしい。
まだ活字が頭の中で踊っているが身を起こして立ち上がる。
読み終えた本を片手に、図書室へ向かった。
渡り廊下を過ぎて目的の場所が見えてきたとき。
ガラッ!
この時間はめったに人の出入りなんてないはずの扉から、慌てふためく女子生徒が飛び出したのが目に入って思わず足を止める。
その人物は見覚えのある、というか俺の心を鷲掴みにした張本人であったことに驚く。
「ハナ……?」
去ってゆく背に向かって呟いたがもちろん届くわけがなく、見えなくなるまでただ見つめる。
そんなに慌ててどうしたんだ。
この中で何かあったのか。
不思議に思い、念のため恐る恐る図書室へ足を踏み入れるけれど。